現在、生後2か月になる娘と4歳半の息子の育児をしているみゆきです。
私が予防医学に興味を持ったすべての原点である「細川もも」氏の講演を聞いてまいりました。
細川もも氏は、一般社団法人ラブテリの主催者であり、1児の母でもあります。
現在、妊娠八か月という身重なカラダで「文京区ハッピープロジェクト」の一環である今回の講演にのぞまれました。
もも氏は、冒頭でかなり衝撃的な内容をおはなししていました。
それは、日本はOECD加盟国の中でも
・低出生体重児の発症率
・産後ママの骨折率
・発達障害の発生率
・体力水準の低下
・身長の伸び率
・学習意欲の低さ
低水準という結果というのです。
また、胎芽から2歳までの「最初の1000日」がとても重要で、ユニセフでも重要性を訴えています。
目次
胎芽から2歳までの最初の1000日
この1000日間は、おなかに宿った十月十日から2歳までの期間を言い、その子の一生涯の健康にかかわります。
この期間の栄養状態は、一生涯の健康を左右するだけでなく、生涯年収、GDPまでも左右するというのです。
幼保無償化の原点にもなった考え方でもあります。
脳は6歳までにおよそ9割完成するといわれていますが、2歳までに栄養が足りないと脳のサイズ自体が小さく神経細胞も少ないということがわかっています。
ベビーの発育発達を助ける栄養素
ベビーの発達発育を助ける栄養素①鉄
母乳育児だけで育てているママは、注意が必要です。
母乳で育てるか、ミルクで育てるか毎回議論になりますが、それはさほどここでは重要ではありません。
現代のミルクはかなり母乳に近づけてそれぞれのメーカーから販売されていますが、それぞれにいい点悪い点があります。
母乳には、感染に負けない抗体が含まれています。
ただ、生後六か月ころを境にカルシウム、鉄、タンパク質の含有量が低下します。
乳糖は増えるが、栄養補給には衰えます。母乳から「鉄」を補うには十分ではありません。
そのため、離乳食から栄養を補給する必要があります。
子どもの栄養状態を左右するのは母乳だけではなくほかのさまざまな因子、例えば、早産児・低出生体重児・母親の貧血が左右しますが、その事実を踏まえたうえで母乳ミルク育児を進めていく必要があります。
「鉄」は脳の中枢神経の発達を助ける栄養素なのです。
セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなど多くの神経伝達物質を作るのに欠かせません。感情調節障害にも関わっています。
生後6か月の赤ちゃんのデータを調べてみると出生体重が3000g以上で生まれた赤ちゃんは、貧血は見られません。
2500g以下で生まれた完全母乳で育てられた低出生体重児は43%が貧血でした。この時期に離乳食が始まっていれば15%です。
生後9か月から1歳前後は「離乳期貧血」といわれており、フォローアップミルクへ切り替えるという対策が必要です。
2歳から5歳の貧血は約4割で、原因はママの貧血です。
分娩時の出血量が多かったママはいまでも貧血は改善されていない可能性があります。退院できたからといっても十分ではないのです。
産後ママの貧血はうつに影響します。ホルモンバランスだけではないのです。
食品への鉄添加の現況ですが、イギリスやアメリカは主食に鉄を足しています。国策なのです。
日本は国の取り組みとしてはありません。
ということは、私たちのリテラシーとして必要なのです。ベースの知識として持っておくべきことなのです。
皆さんは、「鉄」が2種類あるということはご存知ですか?
動物性の「ヘム鉄」と植物性の「非ヘム鉄」があります。
2歳までに重要な「鉄」。
赤身の魚や肉、鉄添加のヨーグルト、レバー粉末をつくねやハンバーグに入れるのも手ですね。
ベビーの発育発達を助ける栄養素②ビタミンD
サンシャインビタミンとも呼ばれ、身長の伸びに関係しています。
また、人生100年時代を支える骨の健康にもかかわっています。
くる病が4人に1人の割合で発症している京都市では新生児ビタミンD欠乏症も顕著です。
骨は妊娠後期に作られます。
4月から6月の春生まれの赤ちゃんに新生児頭蓋ろうの発症が多く、秋生まれの赤ちゃんには少ないです。
妊娠後期の日照量によるので、妊娠後期に日照量の少ない冬であったりすると厚着をしているため日光を浴びにくですよね。
くる病になるといろんな病気の合併症を起こしやすくなります。
昔は肝油ドロップやビタミンDシロップを赤ちゃんや子供に与えていましたが、これも国策としてはなくなりました。
おっぱいをあげるときにビタミンDオイルをつけて母乳に添加することもできるので工夫が必要です。
ピークボーンマスをご存知ですか?
最大骨量と訳します。これは、20代がピークです。
どこまで高くピークを持っていくかすなわち骨量を多くするにはどうすればよいかを知っているかでかわってくるということです。
ピークボーンマスを高くするには、①運動②睡眠③食事です。
①運動は、外遊びをどれだけさせて日光浴をしているか
②睡眠は、22時までに寝かせているか
③食事は朝ご飯をしっかりたべているか
近年では高齢出産が増えてきたため、産後の骨折が増えているのが現状です。
子どもだけではなく、母親の骨の健康も大切です。特にママ世代はビタミンDが不足しています。
人生100年時代、骨の健康は自分で守る時代です。
また、妊活中の方にも必要な栄養素で妊娠に関係のあるAMHに関係してきます。
ビタミンDを多く含む食品は
1位魚介類 2位卵 3位キノコ
そのうち血中レベルを上げるのは魚だけです。
また、日照量に関係あるので本州では夏場で一日15分、冬場で41分日光を浴びればビタミンDが十分作り出されます。
外に出なくても日当たりのよい窓辺でも可能です。赤ちゃんや小さい子にはこの方法がおすすめです。
ベビーの発育発達を助ける栄養素③DHA
視力と脳の発達や、目の網膜の健康にかかわりがあり、1歳までに与える必要がある。
特に妊娠20週から2歳まで必要な栄養素。
αリノレン酸はオメガ3系に変わるため、クルミ、アマニ、しそ、えごまから摂取する。
DHAは食事からしかとれないので必ず摂る。もも氏のおうちでは毎朝スムージにいれてむすめさんに飲んでもらっている。
ベビーの発育発達を助ける栄養素④亜鉛
肌の乾燥、湿疹、アトピー、おむつかぶれやスタイなどでかぶれやすいなど炎症しやすい子には不足している栄養素。
あせもや湿疹、カサカサ肌ではなく肌の抵抗力が強い子にするためには必要な栄養素。
亜鉛を多く含む食べ物は
1位牡蠣 2位牛肉 3位チーズ しらす、卵、あさりなどが続くが日本人には圧倒的に不足している栄養素。
ベビーの発育発達を助ける栄養素⑤タンパク質
以上、3つの栄養素を含んでいる栄養素があります。
それは、タンパク質です。鉄、ビタミンD、亜鉛はタンパク質を含む食べ物に含まれています。
カロリー×タンパク質を摂取することにより成長因子のIGF-1が増減します。
人間のカラダは20種類のアミノ酸よりできていて、そのうち9種類は食事から補わないと作られないアミノ酸です。
こどもはアルギニンを足して10種類。
毎食食卓にタンパク質が並ぶようにしましょう。
5大タンパク質を覚えておくと便利ですよ。このうち一つが食卓に並ぶといいですね。
肉、魚、大豆、卵、乳製品の5つです。
タンパク質はギリシャ語の「第一に重要である」という語源からきています。
利用価値の高いプロテインと低いプロテインがあります。
利用価値の高いプロテインはアミノ酸スコア100点のものです。小麦は37点と低いので、アミノ酸スコアの高いツナや肉、ヨーグルトで補足するとよいでしょう。
こどもは、胃が小さいのでおやつで補食してあげることが大切です。
おやつをあげるときの注意点として、
・タンパク質や鉄がとれるものを与える
・例えば、野菜スティック、海苔、鉄が添加されたヨーグルトなどです。
ベビーの発育発達を助ける知恵袋
ベビーの発育発達を助ける知恵袋①ペンフィールドの地図
2歳までの脳の発達を促すものとして、有名なペンフィールドの地図があります。
特に大きく描かれているのが「口」と「手」です。
脳の刺激にダイレクトに働きかけるのは、そう「つかみ食べ」なのです。
ママたちは、恐れずにつかみ食べを促してあげましょうね。
ベビーの発育発達を助ける知恵袋②腸内環境
近年では、小学生の花粉症が多くなったと聞きました。
これらアトピーなどのアレルギー予防には腸内環境を整えてあげることで改善することがわかっています。
食物繊維が多い食事をしている子どもは免疫の暴走を抑えられるという研究結果もあります。
腸内細菌叢は抗生物質の使用の有無でも変わりますが、PETが5匹いると病気に負けない体つくりができるとデータで出ています。
ママから赤ちゃんへの一番のギフトは産道を通るときにママからもらう腸内細菌といわれています。
妊娠中は腸内をきれいに保つことが大切ですね。
自然分娩でなく、帝王切開で生まれた子も3歳までに腸内細菌叢は決まるといわれています。
おとなになったら定着しないので流れてしまうのでいいものをとっても摂り続けることが必要なのですが、3歳までに多種多様な菌に触れることで腸に定着します。
そのため、生まれたらいろんな方に抱っこしてもらったり、いろんなところへ連れていくことです。
池や川、山、砂場、海、犬、猫、じいじ、ばあば、アメリカ人、インド人いろんなところ、いろんな人に触れることで定着します。
また、早寝早起きの習慣がある子供は排便習慣も整うというデータがあります。
ベビーの発育発達を助ける知恵袋③和食をたべよう
朝食にお米を食べているお子さんのほうがパン食を食べているお子さんよりもIQスコアが若干高いことがわかっています。
和食に合わせる副食が魚であったり納豆であるのに対し、パン食ではバターなどが多いです。
合わせる脂肪の種類でIQスコアが変化すると考えられています。
脳の約6割は脂肪でできていますから、それに左右されるのはうなずけます。
もも氏の家庭では米が週4回、パンが3回の頻度です。
まとめ
ラブテリトーキョー&ニューヨークでは、2週間のMEALチェックや、買い物時の栄養バランスが分かるようなシートがダウンロードできます。
十月十日から2歳までの栄養状態が、その子の学業、生涯年収、健康までも左右します。
毎食片手手のひら一盛り分のタンパク質を摂りましょう。
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